西アフリカのコートジボワールは、1999年と2010年の内戦により混乱状態が続き貧困が蔓延しましたが、2012年頃からようやく経済復興に向けての動きが始まりました。
痩せた土地、不安定な降水量、品種の悪い種、多用な化学肥料の使用、農業技術の不足等で十分な収入が得られず、現在も深刻な貧困状態にある農民が多数います。
事業地に住む極貧層の年収は約4万円、1日あたり約100円で暮らしている計算です。
支援方法
ICAジャパンは活動する農村11村で、地場産業の開発と雇用拡大を目指して、地域の主要産業である農業(養鶏、野菜栽培、アグロフォレストリー(森を作りながら、農業を農作する手法のこと))の技術指導を実施しました。
地域の資源を生かした循環農業・自立農業を構築し、農民の生活水準を向上させます。
自立農業とは、養鶏、野菜づくり、堆肥づくり等が相互に補い合う農業を指します。
例えば、養鶏で出る鶏糞を堆肥にして土づくりを行い、その土で野菜を栽培することで、収穫量が増えるだけではなく品質が向上します。
このような仕組みは、生産コストを削減し、村人が得る利益を増加させるため、貧困削減には有効なモデルです。この活動でも日本の技術を現地に移転するため、日本人の専門家を現地に派遣します。
さらに、村人が自ら共同生産や販売をできるようになり、事業終了後も農民自らが自立して農業を継続できるよう、共同組合の組織強化を行っています。
11村では活動に参加した農民の収入が向上しただけではなく、村人自らがメンバーとなったコミュニティ開発委員会が発足しました。
これにより、地域の社会経済基盤を安定に導く、組織の基盤ができあがりました。