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2018年度

ネパール トレーニングセンター建設と地震被災者救援事業(外務省)



支援団体:外務省、皆さんからのご寄付
事業期間:2018年3月~2019年5月
実施場所:ネパール共和国シンドゥパルチョーク郡サンガチョック村


■ICAジャパンが支援する理由

ネパールは、2015年4月25日にマグニチュード(以下M)7.8、4月26日にM6.8、5月12日にM7.3の地震に見舞われました。
この一連の地震で約9,000人が死亡、23,000人以上が負傷、90万戸以上の住宅が破壊され、農村部の食糧不足、保健衛生環境、道路を含むインフラ等に大きな被害が及びました。

事業地のあるシンドゥルパルチョーク郡も甚大な被害が発生し、3,550人が死亡、2,100人が負傷、家屋の95%が全壊しました。
しかし、同地域は山間部に位置し、交通インフラが十分に整備されていないため、復興が思うようには進まず貧困状況が深刻化していました。

■ICAジャパンの支援方法

ICAジャパンは、貧困状況の改善と地域の復興に向けて、事業地にトレーニングセンターを建設し、地域住民の声に寄り添いながら、住民の生計向上に必要な有機農業や縫製等の研修を実施しました。

ICAは研修を行う場合、地域住民のニーズを聞き取り、ニーズに沿った研修を行なうため、どの研修でも参加者のモチベーションはとても高いです。
また、住民とともに復興に向けての話し合いを実施しました。

この結果、地域のリーダーを中心に復興と現在の深刻化した貧困状況の打破に向けて住民のモチベーションは向上し、生活改善の兆しが見られるようになりました。

ケニア 半砂漠地域での環境教育を兼ねた植林事業(地球環境基金)



支援団体:環境再生保全機構、藤沢東ロータリークラブ、国土緑化推進機構、皆さまからのご寄付
事業期間:2017年7月〜2018年2月
実施場所:ケニア共和国イシンヤ郡


■ICAジャパンが支援する理由

事業地のあるイシンヤ郡は、マサイ族が多く住む地域です。
しかし、過度な森林伐採による環境破壊や気候変動の影響で、昨今雨がほとんど降らなくなってしまいました。

■ICAジャパンの支援方法

そのため、ICAジャパンは2014年からマサイ族の子女が通う地域の学校で、一人の児童につき一本の木を植え、育てる活動「一緑運動」を開始しました。「一緑運動」環境教育を兼ねた実践型の植林です。

ケニアでは、木は神様がくれるものという考えが古くからあるため、植樹の概念がありません。
しかし、子どもたちは純粋かつ既成概念が凝り固まっていないため、この参加型の植林を通して、木の大切さを学びました。
また、保護者も子どもたちを通して、環境再生がケニアで必要であることを学び、現在では植林活動には積極的にボランティアとして参加できるようになりました。

しかし、この活動はまだ始まったばかりです。
そのため、この植林活動をイシンヤ郡の多くの学校で実施することで、ケニアの環境再生を図りたいと思います。
皆様のご支援をお待ちしております。

ご寄付の場合「ケニアの一緑運動」とご記入いただければと思います。よろしくお願いいたします。

ケニア 学校給食プロジェクト(株式会社テーブルクロス)



支援団体:株式会社テーブルクロス、皆さまからのご寄付
事業期間:2015年から継続中
実施場所:ケニア共和国マルサビッツ州ゴヨニ・タイタス小学校、マチャコス州ウカラニ小学校


■ICAジャパンが支援する理由

ICAが給食支援を行なっている地区は、気候変動の影響で慢性的な干ばつに悩まされており、食料や水不足が続いています。今、ケニアの地方で最も必要とされているのは食料と水です。

■ICAジャパンの支援方法

ケニアでは多くの小学校で給食制度がありません。
しかし、給食があれば子ども達の栄養不足の改善をすることができます。そこで、ICAジャパンは、2015年からケニアの小学校で給食支援を行なっています。

このプロジェクトは栄養問題だけでなく、教育問題を改善する側面を持っています。
子ども達は給食が食べられるという動機で登校し、親も子どもを学校に通わせるからです。

給食は子ども達が抱える栄養問題と教育問題を、2つの側面から解決することができます。

インド 干ばつ地域での井戸再生事業 第1期(株式会社TOTO)



支援団体:TOTO株式会社水環境基金、皆さまからのご寄付
事業期間:2018年4月~2019年3月
実施場所:インド共和国 マディヤ・プラデーシュ州ジャブア郡3村


■ICAジャパンが支援する理由

インド北西部に位置するマディヤ・プラデーシュ州ジャブア郡の村では、近年の気候変動の影響から降雨量が極端に減ったため、地下水量は減少し、多くの古井戸が使用できなくなっています。

そのため、女性や子どもは遠方への水汲みを強いられています。
しかし、このような状況でもインド政府は、住民の大半が指定部族(カースト制度外に位置付けられた差別対象者)であるという地域性から、特に水問題への対策をとってはいません。

水はライフラインの一つであることから、早急に改善する必要があります。水が村内で安定的に供給されるようになれば、女性や子どもが水汲みに費やす時間が大幅に軽減できます。また衛生面の改善等の効果が期待できます。

■ICAジャパンの支援方法

2018年度に6基、2019年度に6基の古井戸を再生し、約2800人に通年で水を供給できるようになりました。

また、コミュニティが再生した井戸を永続的に利用していけるよう、維持管理研修を4回実施したことから、住民自らが井戸を維持管理できる体制が整いました。

水は命に関わる重要なものです。井戸の再生により、女性や子どもの労働が軽減され、水が近くにあるという安心感から住民の精神的なストレスが軽減しました。2020年度も本活動を継続し、6基の古井戸再生や衛生研修を実施します。

インド 環境教育整備と植林(一緑運動)事業 第1期(経団連自然保護基金)


支援団体:経団連自然保護基金、皆さまからのご寄付
事業期間:2019年4月〜2020年4月
実施場所:インド共和国ビハール州マデープラ周辺10村


■ICAジャパンが支援する理由

ビハール州はインドの最貧州であり、カースト制度が根強く残っています。そのため、農奴制度、ジェンダー不平等、子どもの教育等の多くの問題を抱えています。

加えてインドの経済発展に伴い、森林伐採等の自然環境の破壊が加速、大気汚染が深刻化し、集中豪雨や干ばつ等の異常気象が続いています。気候変動や異常気象は、事業地の主要産業である農業と住民の生活に直轄するため、早急な支援が必要です。

■ICAジャパンの支援方法

ICAジャパンは、早急な環境保全と再生について取り組むべく、環境教育を兼ねた植林緑化活動を開始しました。

また、地域住民は環境保全への意識が乏しいため、植樹活動を通して環境教育を行い、住民の環境への意識の向上を図っています。

コートジボワール 循環型農業開発事業(外務省)



支援元:外務省NGO連携無償資金協力、皆さまからのご寄付
事業期間:2019年2月〜2020年2月
実施場所:コートジボワール共和国アニェビ州の11村(アビジャンの北約70km)


■ICAジャパンが支援する理由

西アフリカのコートジボワールは、1999年と2010年の内戦により混乱状態が続き、貧困が蔓延しましたが、2012年頃からようやく経済復興に向けての動きが始まりました。

しかし、農村部では、痩せた土地、不安定な降水量、品種の悪い種、多用な化学肥料の使用、農業技術の不足等で十分な収入が得られず、現在も深刻な貧困状態にある農民が多数います。

事業地に住む極貧層の年収は約4万円、1日あたり約100円で暮らしている計算です。

■ICAジャパンの支援方法

ICAジャパンは地域の資源を生かした循環農業・自立農業を構築し、農民の生活水準を向上させます。自立農業とは、養鶏、野菜づくり、堆肥づくり等が相互に補い合う農業を指します。

例えば、養鶏で出る鶏糞を堆肥にして土づくりを行い、その土で野菜を栽培することで、収穫量が増えるだけではなく品質が向上します。

このような仕組みは、生産コストを削減し、村人が得る利益を増加させるため、貧困削減には有効なモデルです。この活動でも日本の技術を現地に移転するため、日本人の専門家を現地に派遣します。

さらに、村人が自ら共同生産や販売をできるようになり、事業終了後も農民自らが自立して農業を継続できるよう、共同組合の組織強化を行っています。

福島南相馬市・浪江町 原発被災者の心の癒しのための花植え活動(日本テーラワーダ仏教協会)



支援団体:日本テーラワーダ仏教協会、日本郵便、皆さまからのご寄付
事業期間:2014年〜2019年
実施場所:福島県南相馬市、浪江町


■ICAジャパンが支援する理由

2011年3月11日に東北地方で発生した津波を伴う大地震時に、福島第一原発で事故が発生しました。
事故により福島県では約16万人もの県民が避難生活を強いられました。
長引く避難生活や先の見えない生活、環境の大きな変化等で、福島では2250名以上の方々が震災関連死でお亡くなりになりました。
この数字は、岩手県の467名、宮城県の928名の倍以上になり、福島原発による被災が、自然災害による被災よりも被災者に与える影響が大きいことが伺えます。

■ICAジャパンの支援方法

震災後の福島の復興にあたり、福島原発に近い南相馬市と浪江町の住民とともに、2014年から2019年度まで被災者の心の癒しを目的とした緑化活動を実施しました。
この緑化活動は、アメリカなどの欧米では園芸療法として身体的・精神的な効果が期待できる活動として広く行われています。
実際福島での活動に参加した被災者の方々からも、園芸活動に参加することで心の癒しのみならず、地域の交流の活性化、他者との交流など多くの効果の報告がありました。

2019年で南相馬市と浪江町での活動は終了しました。
しかし、原発から10km圏内にある大熊町は2019年4月に帰還困難区域が解除され、ようやく帰還が開始されましたが、住民の帰還は進んでいません。

そのため、今後もICAは福島の復興に向けて活動を継続していきますので、皆様の暖かなご支援をお願いいたします。